転落日記

バレエから帰ってきてテーブルの上にあるであろう財布を捜す・・・ない。コタツ布団をめくってみる・・・ない。本と書類の山を崩してみる・・・ない。今日は使ってないカバンの中を探す・・・ない。ズボンのポケットをまさぐる・・・ない。もう一度持っていったバッグの中をサイドポケットも含めて探す・・・やっぱりない。ここまできてついにあまり考えたくない結論にいたった。あ、あれ?ひょっとして落とした?・・・オートーシーターァー!!!


さっきまでのちょっとした浮かれ気分はどこへやら、一番暗いと言われる夜明け前より暗い気持ちでカード会社やら銀行やらへカードの利用停止と再発行書類の送付をお願いする。中には連休中とはいえこんな平日の深夜に混雑することなんてありえないのになかなか電話が繋がらないサポートセンターもあって、おまえら全員財布落とせ!とか思った。


電話を済ませご飯を食べて気分も落ち着いたので最寄駅付近の交番へ行く。交番の前でちょうどチャリパトロールから帰ってきたおまわりさんに無灯火で止められたけど、それどころじゃないことを説明すると交番内で遺失物届を書くよう指示された。財布の中身を思い出しながら記入していくうちに結構大変なことをしでかしたということを次第に実感していく。現金8万円強は昼間郵便局で受け取った確定申告の戻り分だったりするのだけど、ほんの数時間で僕の手元から消えうせた。Suicaの残高も確か8000円以上あったし、パスネットも1500円くらいは残ってたし、バレエのチケットも3回分つまり6000円相当入ってたし定期券や回数券も残ったしで総額10万円にはなりそうだった。10万円・・・もし拾って届けてくれる奇特な人がいたら喜んで2万円くらい進呈しようと思うのだけど、多分どっかの親のすねかじりまくりのチャラチャラした頭悪そうな格好して実際頭悪い兄ちゃんが「お、ラッキー♪」とか言われて現金だけ抜かれて残りは燃えないゴミと一緒に捨てられるに3000点という可能性の方が圧倒的に高いだろう。いっそのことその悪い頭を存分に発揮して止められてるカードとか使って防犯カメラにその間抜け面をバッチリ録画されてほしい。


とりあえずやるべきことはやったので後は奇跡を待つかあきらめるかしかない。バレエ、やっぱり行かなきゃよかったよ。「キッパリ!」なんて読むんじゃなかった。