憲法記念日記

目が覚めて夢でないことを再確認。しぶとくまだしまってないコタツ布団をめくってみたりカバンを持ち上げてみたりしたけど、やっぱりないものはない。寝る前は早起きして通った道をトレースしに行こうかとかちょっと考えたりしたけど、いざ朝になってみるとまだ早いとはいえ道に財布が落ちてればそれが財布だとわかるくらいには明るいし、行ってみて完璧にないことを認識し大ダメージを背負ったまま帰る道のりの切なさとか想像しちゃったりしてすっかり行く気がなくなった。後は高原の岩清水のような春を愛する人のような心清らかな人に拾われたことを願うばかりだ。でも心のどこかでは8割方あきらめてる。


当初は今日実家に帰る予定だったけど、こんな気持ちじゃ何もできネェサということで電話して諸事情により帰省は1日延期しますと伝える。理由まで話すと何やかや言われるのは目に見えていて、今の僕のガラスのハートじゃとてもそんな攻撃には耐えられそうにないので適当にごまかしておいた。もちろん帰ってからも言わないつもりでこれもネガティブな親孝行の一環と歪んだ拡大解釈をしてみる。


天気がいい休日の日課であるベランダでの猫の日向ぼっこを澱んだ目で見守りながら警察からの電話を待つがいつまでたってもチリンとも音がしない。そもそも見つかったら電話連絡してくるのかどうかも知らないんだけど。午後も遅くなってからいい加減待つのも飽きたのでようやく重い腰をあげて、とりあえず心の整理というか未練を断ち切るため昨日の移動経路をトレースすることにした。見つからない際のダメージはSuicaパスネットの再購入や図書館カードの再発行やクリーニングに出した洗濯物の回収で気を紛らすつもり。免許の再発行手続きは祝日にやってるかどうか怪しいので保留しておく。


で、トレースしてみた。走ったのはほとんど車道だったので歩道よりは拾われる確率が低いんじゃないか?とか淡い期待を抱いてみたけど、実際走ってみたら余裕で歩道から手を伸ばせるとこばっかり。世の中そんな甘いもんじゃなかった。全工程の2/3ほど下ばっかり見て走り、歩道と車道の区別がつかなくなった時点で失意のUターン。


次に寄った図書館でカードをなくしたので再発行してほしい旨を告げると、カードがなくても名前と電話番号を言えば借りられるのでもうちょっと探してみてくださいと軽くあしらわれる。(や、探せって言われても)と胸の内でツッコんでみてもしょうがないのでスゴスゴ引き下がった。一週間後くらいにまた来て探したけど見つからなかったとか言ってやっと再発行してもらうことになるんだろう。あー二度手間二度手間。クリーニングも同じような状況で、預けてたものは登録されてた情報から無事回収できたけど、カードは再発行できないので毎回電話番号を教えてくださいとのことだった。ささいなことだけどなんだかとても面倒臭そうな感じなので、次回溜まってる大量のハンガーをリサイクルしたら乗り換えようと心に誓った。


最寄駅でSuicaを購入して帰宅。ここで留守番電話が点滅してたら心拍数が急上昇したり脳内麻薬が大量分泌されたりするところだけど、そんなこともなく。気分が盛り上がらないので歌も歌わず食事の支度もせずでも猫の世話はして買い置きのパンとかお菓子とか食べながらダラダラ本読んでテレビ見て過ごす。さっぱり集中できず。夜更かしもせずとっとと寝る。財布落とすだけでこうも気の持ちようが変わるとは思わなかった。とにかく己の器の小ささを再認識。ドールハウスティーカップ並み。いやティースプーンか。